コレクション:
オランウータンコーヒー
ORANG-UTAN
コーヒーのプロとつくる「森の人」とヒトのコーヒー
アジアで最大規模の低地熱帯雨林を有し、世界で最も生物多様性を持つ国といわれているインドネシア。しかし、森林火災や違法伐採などによって年々、熱帯雨林が減少。それに伴い熱帯雨林を住処とするスマトラオランウータン・タパヌリオランウータンの数も減少し、今や絶滅危惧種に指定されています。そんな危機的状況を救うべく、インドネシア西部スマトラ島の希少動物や自然環境の保全活動を行う非営利団体「Yayasan Ekosistem Lestari」と農産物の有機栽培指導を始めとした支援・基金活動を行う非営利団体「PanEco(パン エコ)」がオランウータンプロジェクトを立ち上げました。熱帯雨林を必要とするオランウータンを守ることは、生物の多様性を守ることにもつながる。そんな考えのもと活動を続ける彼らに共感し、世界的に有名なコーヒーのプロフェッショナルたちが賛同し、本プロジェクトはスタートしました。
オランウータンは600~900mほどの低地の熱帯雨林に生息する生き物。スマトラ島にあるその地域ではパーム油を生産するため、自然林を伐採しパームツリーのプランテーションに転用され、オランウータンの生息地も減少しています。オランウータンコーヒープロジェクトでは、オランウータンを守ることが逆に現地の人々の経済活動を妨げるものであってもいけないと考え、コーヒー栽培に着目。
シェードツリーの中で育つコーヒーは品質も良く、自然環境の保護や生物多様性の維持、現地のコーヒー生産者の生活を豊かにしていくことにつながります。同プロジェクトではオランウータンの保全活動を行う「The Sumatran Orangutan Conservation Programme (SOCP)」を支援するとともに、生産地の環境整備をサポートするだけでなく、生産者に生豆の売り上げから寄付を行い、還元することでオランウータンと環境を守る活動を支援しています。こうした特徴を持つオランウータンコーヒーの生産地は、スマトラ島のアチェ州ガヨ地区。ガヨマウンテン、マンデリンなど特定銘柄の生産地としても知られる場所です。オランウータンプロジェクトでは、その活動の一環として現地に抽出器具などの設備を備えた「オランウータンコーヒーラボ」も開設。栽培から最適な抽出までを検証することで、生産者とともにコーヒーの品質向上にも尽力しています。
小川珈琲では、2017年にアジアで初めてオランウータンコーヒーの発売をスタート。「インドネシア スマトラ オランウータンコーヒー」の名で、「一杯のコーヒーからできること」をかたちにすることにしました。オランウータン、コーヒー生産者、コーヒーを愛する人たち、そして何よりも地球のために。オランウータンコーヒーには、たくさんの人のそんな思いが詰まっています。